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4章 〜アルツハイマーの予防〜

4.1 アルツハイマー予防の10ヶ条

アルツハイマーは様々な原因が重なり合って発病すると考えられているので、原因となる危険因子のうち、避けられるものは避けるというのが予防の基本である。そこで、アルツハイマーを予防するための10ヶ条というものが掲げられている。

1条は、「塩分と動物性脂肪を控えたバランスの良い食事を」である。アルツハイマーは、高血圧や肥満などの生活習慣病を予防することによって防ぐことができると考えられている。そのためには、塩分や脂肪を摂取しすぎないことが重要であり、食物繊維、ビタミン、ミネラルの摂取を心がけ、バランスの良い食事をとる必要がある。食塩の摂取は、通常10g以下が良いと言われているが、高血圧の人は6gを目安にするのが良い。日本人の場合、1日にとる食塩の量の差は味噌汁の量によると言われているので、薄味で具の多い味噌汁を食べるようにすると良い。また、塩分の多い焼き魚、煮物、漬物、佃煮を食べ過ぎない方が良い。脂肪の摂取は、1日20〜30gまでにし、動物性脂肪を減らして植物性脂肪をとるように心がけると良い。また、糖質のとり過ぎによって中性脂肪が増加するので、糖質をとり過ぎない方が良い。1日の総摂取カロリーの目安は1500〜1800キロカロリーである。

 第2条は、「適度に運動を行い、足腰を丈夫に」である。日常生活の動作の障害と知的機能の低下には密接な関係が見られ、歩行などの日常的な動作が困難になると知的機能が低下し、逆に知的機能が低下すると運動機能が低下してしまう。そのため、普段から運動を行うことがアルツハイマーの予防につながってくる。歩行という運動では、脳の様々な機能が使われて脳のいろいろな領域が刺激され、脳の代謝と循環が活発になるので、日ごろから歩くように心がけ、寝たきりにならないようにすることが必要である。歩行の際は、正しい姿勢で転倒しないように焦らず歩くようにするのが良い。歩くことに限らず、運動は頭に適度な刺激を与え、血管の動脈硬化を予防する効果もあるので、手をよく使うなど、歩行以外にも適度な全身運動が普段から行うことが重要である。

3条は、「深酒とたばこはやめて、規則正しい生活を」である。アルツハイマーの頻度と深酒の間に有意な関係は認められていないが、3合以上の飲酒歴がある人はアルツハイマーになりやすい傾向があるので、深酒はやめた方が良いと言える。喫煙とアルツハイマーの関係性についての調査では、関係ありという結果と関係なしという結果の二つに分かれていて、禁煙することが必ずしもアルツハイマーの予防につながるとは言えない。しかし、たばこを吸うと、脳血管障害を起こしやすくなって間接的にアルツハイマーが発病しやすくなる可能性があり、また、脳に障害が起きたときに機能修復を行う回復力が落ちて結果的にアルツハイマーになりやすくなる可能性もあるので、喫煙は避けた方が良い。

4条は、「生活習慣病の予防、早期発見、治療を」である。第1条のところで述べたように、生活習慣病にかからないことはアルツハイマーの予防につながると考えられている。そのためには、カロリーのとり過ぎに注意して、運動を行うように心がけるのが良い。また、生活習慣病は早く発見できればそれだけ早く治療することができるので、定期健診や成人病検診などをきちんと受けることが望ましい。

5条は、「転倒に気をつける(頭の打撲はぼけ招く)」である。アルツハイマーかどうかを診断するときには、老人斑および神経原繊維変化の出現があるかどうかが基準となる。繰り返し頭部を強く打たれると、年齢に関係なく脳内に初期の老人斑や神経原繊維変化が増えることが知られている。一般に、強い頭部の打撲はアルツハイマーの発症を約5年〜7年早めるという報告もある。そのため、アルツハイマーの危険因子として一番に挙げられるのが、頭部の外傷である。だから、頭部に傷を負わないように転倒に気をつける方が良い。転倒を完璧に避ける方法はないが、転倒したときにできるだけ頭を打たないよう身をかわせるように、普段から運動して身体を鍛えておくことが大切である。また、家庭内ではできるだけ段差を少なくし、滑りやすいところに敷物を敷いたり、薄暗い所でつまずかないよう照明をつけたりするなどの工夫をすることが望ましい。必要に応じて、杖をつくことも良い。

6条は、「興味と好奇心をもつように」である。記憶するときは、まず脳に情報の登録が行われる。この際、注意が散漫になっていると、新しいことを見聞きしても情報が神経細胞に正確に入らなくなり判断も適切に行われないため、脳の老化が進んでしまう。逆に、興味や好奇心には前向きで積極的な注意の持続が必要なので、興味と好奇心をもつことは脳の老化防止につながり、アルツハイマーの予防効果がある。

7条は、「考えをまとめて表現する習慣を」である。脳の老化を防ぐためには、頭を使い、脳の神経細胞を刺激して活性化する必要がある。そのためには、日ごろから物事を考え、その考えをまとめて表現する習慣をつけておくと良い。例えば、日記をつけたり親戚や友人に手紙を書いたりするのが効果的である。また、将棋や碁をしたり短歌や俳句を詠んだりすることも、脳を活性化してアルツハイマーの予防に役立つ。

8条は、「こまやかな気配りをした良い付き合いを」である。ストレスは、知的な人柄や活動を減弱させ、脳の老化を促進してしまう。人付き合いにおいて自分本位で頑固な態度をとると、対立的な人間関係になりやすく、その結果、不安や不満、不信が生じてストレスがたまってしまうので、こまやかな心づかいをして良い人間関係を築き、穏やかな生活を送ることが重要である。そのためには、自分の周りにいつもよく話せる人がいることも大切である。

9条は、「いつも若々しく、おしゃれ心を忘れずに」である。気持ちが老け込んでしまうと、何をするにもおっくうになり、つい家に閉じこもってしまいがちになる。そういった不活発な生活を続けると脳の老化が進んでしまうので、できるだけ身だしなみにも気を配り前向きに生活することが、アルツハイマーを予防することにもなる。

10条は、「くよくよしないで明るい気分で生活を」である。親近者との死別や定年による退職、身体の健康を失うなどの喪失体験があると、気分の落ち込みを起こしやすく、うつ状態になる可能性がある。うつ状態になると脳の神経細胞が障害を受けやすくなり、脳の老化が進んでしまう。だから、普段から明るい気持ちで生活することがアルツハイマー予防のために大切であるし、うつ状態になってしまったら早期に治療することが肝要である。

このように、アルツハイマーの予防の仕方は様々であり、どれもちょっとした気づかいをすることが予防につながると言える。逆に言えば、ちょっとした気づかいを怠ることが重なっていくと、アルツハイマーにかかりやすくなるということである。

4.2 栄養面からの予防

アルツハイマーの発症や進行は脳の老化過程に深く関係している。そのため、老化を促進する物質の毒性を抑えるビタミンEやビタミンCなどは予防薬になりうる。また、青身の魚に含まれるDHA(ドコサヘキサエン酸)やEPA(エイコサペンタエン酸)なども予防に役立つ可能性がある。

4.3 アルミニウム

1章で述べたように、アルミニウムをアルツハイマーの原因と考えることに対しては反対の意見もあるが、賛成の意見がある限り、アルミニウムが脳内に蓄積するのを避けることはアルツハイマー予防に役立つと言えるだろう。

アルミニウムの蓄積を避けるためには、特に水に溶けたアルミニウム化合物を摂取しないことが重要である。土やほこりに含まれる天然の酸化アルミニウムやケイ酸アルミニウムはほとんど体内に吸収されないのに対し、水に溶けたアルミニウム化合物は体内に吸収されやすく、吸収されたアルミニウムは体内でいろいろな分子にくっついてしまうため、限られた物質しか通さない細胞膜や血液脳関門を通ってしまい、脳内に少しずつ蓄積する可能性があるからである。

水に溶けたアルミニウムを摂取しないようにするには、アルミニウム化合物が多量に溶け出す可能性があるアルミ鍋などの調理器具や食器を使わないようにすると良い。アルミ製品は酸やアルカリに弱い性質を持っていて、トマトなどの野菜を煮ただけでアルミニウムが溶け出てしまうからである。アルミ鍋には保護の目的で酸化アルミニウムがコーティングされているが、この膜はたわしなどでこすると簡単にはげてしまうので、アルミニウムが溶け出るのを防ぐことはできない。また、水道水中のアルミニウムにも注意するのが良い。日本の水道水中のアルミニウム濃度は、季節や浄水場によっては、EU諸国に比べて基準が甘いWHOの基準を越えるほど高い場合があるので、気をつけた方が良い。