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第1章 〜健康食品とは?〜

最近世の中はいわゆる健康食品ブームである。スーパーには健康食品売り場が作られ、テレビでは毎日のように体に良いとされる食品が紹介されている。しかし、実は健康食品と一くくりに言ってもいくつかの分類があるのだ。この章では健康食品を保健機能食品(特定保健用食品と栄養機能食品)とそれ以外の健康食品とに分類し、そのそれぞれについて詳しく述べてゆきたい。

1.1 特定保健用食品
現在、CMで盛んに放送されているキシリトールやヘルシア緑茶など話題になっている食品のほとんどに特定保健用食品マーク(トクホマーク:*1参考)がついている。スーパーに行くと従来健康に良いとされていたヨーグルトはもちろん油、お茶など様々な食品が特定保健用食品として陳列され、その数は年々増していくばかりである。買い物をする時、最近の時代の流れが「健康」という事もあり、トクホマークのついた食品を優先的に選ぶ人も多いのではないだろうか。そこで特定保健用食品とは何なのかという事をその誕生から辿っていきたい。

厚生省によると特定保健用食品は以下の通りに定義されている。
特定保健用食品とは平成3年に制度化されたもので、栄養改善法第12条第1項(又は同法第15条第1項)に規定される特別用途食品の一つである。具体的には、身体の生理学的機能や生物学的活動に関与する特定の保健機能を有する成分を摂取することにより、健康の維持増進に役立ち、特定の保健の用途に資することを目的とした食品である。特定保健用食品は、さらに、平成13年4月の保健機能食品制度創設に伴い、さらなる安全性や有効性を確保する観点から、食品衛生法施行規則第5条に基づく保健機能食品の一つとしても位置付けられた。

これをもう少し分かりやすく考える。食品には生命維持のための一次機能(栄養)、食事を楽しむという二次機能(味覚)、そして体調のリズム調節や生体防御、疾病予防、疾病回復、老化防止などの健康を維持する三次機能(体調調節)がある。特定保健用食品は、食品のもつこの三次機能(体調調節)に注目し、長年のアンバランスな食生活によって忍び寄る生活習慣病の『危険要因(リスク)の低減・除去』に役立つように工夫された食品で、健康に対してどのような機能をもっているかを表示することを厚生労働大臣が許可した食品である。つまり血圧や血中コレステロールを正常に保つ事を助けたりお腹の調子を整えたりする保険機能成分(*2参考)を含んだ特定の保健用途に用いられる食品と言える。

実際に表示許可第1号商品が誕生したのは1993年(平成5年)で、99年度に100種類を突破し、2003年度には398種類の食品が特定保健用食品として認定されている。特定保健用食品の効果は、試験管から動物やヒ卜に対する試験をはじめ多くの科学的な試験結果をもとに、特定保健用成分が健康の保持・増進に役立つことが科学的に証明され、医学、栄養学などいろいろな分野の学識者が評価し確認している。企業の特定保健用食品を紹介するホームページにはその食品の成分が人体にどのような良い影響をもたらすかという事について研究施設における対照実験の結果を分かりやすくグラフで表示する等して食品の科学的効果をアピールしている。

また、食品の適切な摂取量が医学的、栄養学的に設定されているのも特定保健用食品の特徴の一つである。
しかし特定保健用食品には医薬品のように疾患に対する診断、治療、予防等に関係するような表現は認められていない。例えば、アミールS(カルピス)の許可表示は「血圧が高めの方に適した食品です」となっており「高血圧を改善する食品です」と言った表記はなされていない。特定保健用食品を摂取すればする程健康になれるというわけでないし、医薬品のように病気を治癒するものでもないと言う事も覚えておきたい。

参考資料
1<トクホマーク>







2:保健機能成分の分類
おなかの調子を整える成分
オリゴ糖類、食物繊維類、乳酸菌類、ビフィズス菌類、ラクチュロース、サイリウム種皮

コレステロールの調節にかかわる成分
大豆たんぱく質、ペプチド類、キトサン、低分子化アルギン酸ナトリウム

血圧の調節にかかわる成分
杜仲茶配糖体、カゼインドデカペプチド、「LTP(ラクトトリペプチド)」

ミネラルの吸収にかかわる成分
CCM、CPP、ヘム鉄

虫歯になりにくい成分
パラチノース、マルチトール、茶ポリフェノール、エリスリトール

血糖の調節にかかわる成分
難消化性デキストリン、グアバ葉ポリフェノール

体脂肪がつきにくい成分
ジアセルグリセロール

1.2 栄養機能食品
2001年4月に創設された保健機能食品制度で保健機能食品として特定保健用食品に加えて新たに栄養機能食品という枠組みが定められた。栄養機能食品とは、高齢化やライフスタイルの変化などにより食生活が悪化して1日に必要な栄養成分を摂取できない場合などに、その補完のために利用されることを目的として厚生労働省が新たに定めた健康食品の1ジャンルである。同じ保健機能食品の1つに分類される特定保健用食品が、個別に国の許可を受けた上で健康の保持、増進に役立つ旨を表示することができる食品であるのに対し、栄養機能食品は厚生労働省の個別審査を受ける必要はなく、特定の栄養成分を含むものとして国が決めた基準を満たしていればその食品に含まれる栄養成分の機能の表示ができるものである。つまり栄養機能食品は特定保健用食品と違い国の審査を受ける必要がないが、その食品自体の効用の記述はできず、含まれる栄養成分の記述にとどまるものである。但し栄養機能食品の栄養成分の機能を表示するためには、厚生労働省により定められた規格基準を満たしかつ表示規則を守ることが必要となっている。

規格基準とは食品に含まれる栄養成分の含有基準のことで、食品衛生法に基づき1日当たりの摂取目安量に含まれる栄養成分量の上限値、下限値の間に適合するかどうか、というものである。上限値は安全性を考え必要以上の過大な栄養成分を含まないよう、具体的には医薬部外品に含まれる最大量を超えない量と決められ、下限値はその栄養成分の栄養所要量の3分の1を満たす量と定められている。この規格基準を満たしてさえいれば、国への届出と許可などの事務手続きをとらずにその食品を栄養機能食品として製造、販売することができる。よって特定保健用食品とは異なり、栄養機能食品の販売はメーカーの自己責任によることになる。しかしそれ故にメーカーにとっては、認証のため様々なステップを踏む特定保健用食品よりも、比較的簡単に生産・販売することができるというわけである。

それではこの規格基準に認められている栄養成分にはどのようなものがあるのだろうか。厚生労働省によると選定された栄養成分は、@食品に本来含有される成分で、A人体で利用されていて、Bかつ有効性と安全性が科学的根拠に基づき認められているもの、とされている。現在のところ、ビタミン12種、ミネラル5種の栄養成分が規格基準に選定されている。具体的にあげると以下の表のようになる。

ビタミン12

ビタミンA、ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンB6

ビタミンB12、ビタミンC、ビタミンD、ビタミンE

ナイアシン、パントテン酸、ビオチン、葉酸

ミネラル5

亜鉛、カルシウム、鉄、銅、マグネシウム








このうちの亜鉛・銅・マグネシウムのミネラル3成分は2004年4月1日に追加されたばかりである。今後もさらに新たな栄養成分が規格基準に追加されていくものと思われる。
次に栄養機能食品の表示について。栄養成分の機能表示については、効果を示す疾病名の表示など医薬品と誤解される恐れのある表示は禁止されている。その他にも過剰摂取への注意などの注意喚起表示が義務づけられ、さらには特定保健用食品とは違って厚生労働大臣による個別審査を受けたものではないことの表示も義務づけられている。
以上,栄養機能食品の基準となる栄養成分、またその表示における義務について述べてきたが、ここで具体的に一般的に体に良い栄養素として広く知られているビタミンCを例にとって表示を見てみよう。

[表示例]
ビタミンC
〈栄養機能表示〉
ビタミンCは、皮膚や粘膜の健康維持を助けるとともに、抗酸化作用を持つ栄養素です。
〈注意喚起表示〉
本品は、多量摂取により疾病が治癒したり、より健康が増進するものではありません。1日の摂取目安量を守ってください。

ビタミンCを含む栄養機能食品には上記のような記述が必ずみられる。スーパーやコンビニエンスストアでは特定保健用食品と共に栄養機能食品も多々売られていて、ビタミンC以外の栄養成分についてもこのような記述を見ることができるので、実際に調べてみるとおもしろい。ドリンク剤、ヨーグルト、ビスケットなど様々な形で商品化されていて、錠剤やカプセル状に固めたものも栄養機能食品として認められている。
栄養機能食品は国から直接認証を得てはいないので特定保健用食品ほどの信頼性はないが、効果・効能が明記されているので、次の1.3で述べるような健康食品よりは比較的選びやすいものといえる。

1.3 その他の健康食品
その他の健康食品には、「健康補助食品」「栄養補助食品」「サプリメント」「栄養強化食品」「栄養調整食品」「健康飲料」といったものがあるが、これらは、行政、つまり厚生省がその効果を確認したものではない。これらについて考えてみよう。
「健康補助食品」「栄養補助食品」「サプリメント」と称して販売される様々な商品は、一般的には保健・健康維持の目的で用いられ、通常の食品とは異なる形態の粒状・カプセル状などの食品と考えられているようだ。近年生活環境の著しい変化により、偏った食生活を余儀なくされている人が数多く見受けられるが、このように食生活の乱れている場合に、その不足した栄養成分を補給したり健康を維持するために用いられる食品が「健康補助食品」「栄養補助食品」「サプリメント」である。

「健康補助食品」「栄養補助食品」「サプリメント」の中には厚生省が設置を認めた財団法人 日本健康・栄養食品協会が、規格成分のみならず一般細菌や大腸菌なども分析した上、表示内容についても医学・栄養学の専門家から構成する適否審査委員会で審査をしてJHFA認定マークの表示を許可した食品があり、これは「健康補助食品」と呼ばれている。留意すべきは「健康補助食品」は厚生省が直接に認可したわけではなく、厚生省が設置を認めた財団法人が認可しているということだ。

つまり、「健康補助食品」には二つ意味があり、広義には一般的な健康食品を指し、狭義には財団法人 日本健康・栄養食品協会が認可し、JHFA認定マークの表示を許可した食品を指す。

後者の例としては「シジミエキス」「DHA」「大豆レシチン」「プルーンエキス」「ブルーベリーエキス」「クロレラ」「ローヤルゼリー」「プロポリス」などがあり、これらは商品の中味である栄養成分や有用成分がきちんと表示通り含まれていること、栄養成分を補給し何らかの健康増進効果があることを保証している。しかしここで注意してほしいのは、それ以上のことは保証していないということだ。よって「即効性」「万能」「最高のダイエット食品」「ガンが治った」「全く副作用がない」「新しい科学的進歩」「奇跡的な治療法」などの誇大広告には注意が必要である。
現に、JHFA認定マークが表示されていたコエンザイムQ10食品やイチョウ葉食品に関して、次のような健康被害が報告された。

コエンザイムQ10食品における事例
コエンザイムQ10を含む食品を摂取したところ、嘔吐、下痢及び食欲減退症状を呈した。当該食品の製造者に過去の苦情の有無を確認したところ、胃腸障害及び過敏症状(皮膚症状)の報告が複数寄せられていた。
なお、医薬品としてのコエンザイムQ10においては、添付文書の使用上の注意として、胃部不快感、食欲減退、吐気、下痢、発疹の副作用情報が記載されている。

イチョウ葉食品による事例
事例1 狭心症のため血液凝固阻止剤を服用中にイチョウ葉食品についても摂取していたところ、頭痛、嘔吐等の症状を呈し、診察の結果、小脳出血と診断された。(担当医師は因果関係不明と判断)
事例2 イチョウ葉食品を摂取期間中、生理出血量の増大と出血日数の延長を認めた。(医療機関へは受診していない。)
事例3 イチョウ葉食品を摂取期間中、切創の治癒遅延及び剃刀出血の止血遅延を認めた。(医療機関へは受診していない。)
(注) イチョウ葉エキスの中のギンコライドBは特異的な血小板活性化因子の阻害物質であることが確認されている。これまでに報告されているイチョウ葉エキスと医薬品の相互作用としては、アスピリン、ワルファリンなどとイチョウ葉エキスを併用した際に起こる出血傾向が挙げられている。
以上を考えると、JHFA認定マークのある健康補助食品は一応の安全性と効果を保証されているが、その安全性も完璧ではないといえる。

不老不死への科学